契約書管理における課題とは?解決方法について解説
- 契約書の保管方法
- 情報共有の方法
- セキュリティ対策
- 契約更新・期限の管理
ビジネスを行っている以上、必ず取引が発生し、契約書を適切に管理することは必要事項となります。こうした課題を解消しなければ、業務が非効率的になったりトラブルが発生したりと、ビジネスにマイナスの影響を及ぼしてしまいます。
ここでは、契約書管理が必要な理由や、上記のような課題の詳細、これらを解決するためにできることについてご紹介いたします。
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目次
1、契約書管理が必要な理由
契約書管理が必要な理由を改めて押さえておきましょう。
大きく分けて、「リスクマネジメント」「業務効率化」の2点のために契約書管理は必要です。
1. リスクマネジメント
仮に、契約書管理を行っていなければ、取引先との契約内容を正確に把握できていない状態に陥ります。これでは、将来的に取引先との間でトラブルが発生した際などに、拠り所となるものがありません。
判断基準がないために、適切な判断を下せなくなる恐れがあります。知らず知らずのうちに、契約内容に違反した行為を取ってしまう可能性もあります。
また、契約期限が正しく管理されておらず、意図に反して契約が終了してしまったり、逆に、契約を終了するつもりが自動更新されてしまったりといったトラブルも起こり得ます。
さらに、契約書の紛失・盗難などに遭った結果、記載された機密情報や個人情報が漏えいするリスクも生じます。
このようなトラブルが発生するリスクを最小限に抑えるためには、適切な契約書管理が求められます。
2. 業務効率化
契約書管理を行わなければ、契約内容や契約期限を確認する際に、その都度、契約書を探し出して確認しなければなりません。しかし、適切に管理されていない状態の多量の契約書の中から、求める契約書を探し出すには、多くの時間と手間を要します。契約書管理を行わなければ、契約内容や契約期限を確認する際に、その都度、契約書を探し出して確認しなければなりません。しかし、適切に管理されていない状態の多量の契約書の中から、求める契約書を探し出すには、多くの時間と手間を要します。
契約書管理システムなどを活用して、デジタルで契約書管理を行えば、すべての契約書を一ヵ所で一元管理できるようになり、必要な情報を迅速に検索・参照できて業務効率が大幅に向上します。さらに、契約書の締結・更新・解除などの手続きも効率化できます。
また、「リスクマネジメント 」で挙げたようなリスクを回避できることで、トラブル対応にかかる手間を省けるという点でも業務効率化につながります。
2、契約書管理における課題
では、契約書管理を行う上で、課題となりやすいのはどのような点でしょうか?
冒頭でも挙げたように、主に次の4点です。
1. 契約書の保管方法
契約書を管理する際は、異なる部署や複数の場所に散在させるのではなく、一ヵ所にまとめて管理する必要があります。
紙で保管する場合は、管理台帳の作成作業やファイリング作業、鍵付きのキャビネットなどが必要になります。
電子化してデータで保管する場合は、スキャナーや文書管理システムなどが必要です。
2. 情報共有の方法
契約書に記載された情報は、社内で情報を必要とする従業員にいつでも開示できるようにしておく必要があります。ただ、誰でもすべての契約書を閲覧できる状態にしてしまうと、情報漏えいや改ざんなどの内部不正につながる恐れがあります。
こうした複雑な要件を満たすためには、アナログな管理方法よりも契約書管理システムなどによる管理方法の方が適しています。
3. セキュリティ対策
契約書は、機密情報や個人情報などの機微な情報を含むため、取り扱いに注意が必要です。盗難や紛失などによる情報漏えい、情報の消失が起きないよう、契約書管理においても十分な情報セキュリティ対策が必要です。
この点でも、アクセス制御や契約書データの暗号化、バックアップなどが行えるシステムによる管理に軍配が上がります。
4. 契約更新・期限の管理
契約書管理を行う上で、欠かせないのが期限の管理です。仮に、期限を管理できていなければ、適切なタイミングで契約を更新したり終了したりといった対応が難しくなります。
たとえば、契約終了のタイミングで代替のサービスに乗り換えたいといった場合も、契約期限の管理を適切に管理できていればスムーズに行えるでしょう。
3、契約書管理の理想的な状況
契約書管理が適切に行われている理想的な状況とは、上記の課題がすべて解決された状態です。
ポイントとしては、次の3点が挙げられます。
情報共有がスムーズに行える
契約書に記載された情報は、契約者本人を始め、その上長や営業メンバー、管理者など、社内で複数の従業員が利用します。このため、スムーズに情報共有できる状態であることが理想的です。
必要な時にスピーディに情報にアクセスできることが大切です。
契約書へのアクセス管理が適切にできている
前項と矛盾するように感じられるかもしれませんが、契約書情報へのアクセスが良すぎるのも問題です。なぜなら、誰でもすべての契約書を閲覧できたり編集できたりするような状態だと、情報漏えいや改ざん、データ消去などの内部不正が起こるリスクがあるためです。
従業員単位、部署単位などでアクセス権限を設定し、必要最小限の契約書情報のみにアクセスさせられる状態がベストです。
契約書の有効期限を管理できている
ここまでにも何度かお伝えしてきたように、契約書管理において有効期限を管理することは重要です。
有効期限を管理できていれば、期限を迎える前に、適切なタイミングで契約内容を見直し、更新や契約終了を行うことが可能です。
4、契約書管理の課題を解決する方法
上記のような契約書管理の理想的な環境を整備し、維持するためには、どのような方法で契約書管理を行えば良いのでしょうか?
大きく2つの方法があります。
1. 管理台帳を作成する
契約日や契約名、締結先名、担当者などの項目をまとめて記載した「管理台帳」を作成して管理する方法です。
管理台帳では、主に次のような項目を記載して管理します。
- 契約書番号
- 契約書名称
- 契約書種類
- 契約内容
- 支払い条件
- 違約条件
- 締結先名
- 担当者
- 責任者
- 契約締結日
- 有効期間(契約開始日・契約終了日)
- 自動更新の有無
- 保管期間
- 契約解除通告期限
- 変更履歴
- 原本保管場所
管理台帳は、Excelやスプレッドシートなどを活用して低コストで作成できますが、実際の書類と直接連動しているわけではなく、どちらかというとアナログな手法です。
手作業で入力していくため、作成時にも運用時にもミスが生じる可能性があります。その結果、管理していく中で、台帳と実際の契約書とに乖離が生じることもあるため、定期的に棚卸しを行う必要があり、手間がかかります。
2. 契約書管理システムを導入する
もう一つが、契約書管理システムを導入・活用して管理する方法です。契約書管理に特化した機能を搭載しており、情報セキュリティ対策も施されています。
必要な契約書を検索してその場で表示できるため、書類を探す手間もなく、テレワークとの親和性も高いです。オンラインでの情報共有もスムーズですし、アクセス制御や契約書データの暗号化、バックアップなどが行え、契約更新や期限が迫ってきたらアラートを発してくれる契約書管理システムもあります。
さらに、管理台帳の作成作業やファイリング作業、鍵付きのキャビネットなども不要です。アクセス制御の観点から見ても、契約書管理システムを導入した方が、Excelなどで管理台帳を作成して運用するよりもメリットが多いです。
5、まとめ
ビジネスにおいて契約は避けて通れないものであり、契約書管理も必須の業務です。もし、契約書管理を行わなければ、情報セキュリティ上の問題や、業務効率の悪化といったデメリットを被ることになるでしょう。
ただ、契約書管理を実施する際は、「契約書管理における課題」で挙げたような項目をいかに解消するかを念頭に行わなければ、十分な恩恵は受けられません。
契約書管理の理想的な状況として、
- 情報共有がスムーズにできる
- 契約書へのアクセス管理が適切にできている
- 契約書の有効期限を管理できている
の3つの条件が挙げられます。
これらの状態を整備・維持できるような方法で、契約書管理を行いましょう。
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