契約書管理は手間のかかる煩雑な業務であるため、どのように工数削減・効率化を行うかが課題になってきます。
システムを導入すると効率的になることが知られていますが、導入を考える際には気を付けておきたいポイントがあります。
ここでは、契約書を管理することの意味から、システムで管理をするメリット、システムを導入する際の考え方・留意点についてお伝えします。
目次
契約書管理システムとは、契約書の保管・分類・期限の管理や、更新の管理を一元的に行えるシステムのことです。
たとえば、Excelなどで管理するのに比べるとはるかに効率的で、期限の管理や更新管理ではアラートを自動発出するなど、自動化を図ることもできます。
導入形態は、オンプレミスとクラウドでの導入が考えられますが、一般的にクラウドでの導入は数日以内と非常に短期間で行うことができます。また、月額数万円からと低コストでの導入が可能で、社内にサーバを用意するためのコストもかかりません。
契約書の数がまだ少ないスタートアップ段階の会社を除き、契約書管理はかなり手間がかかる業務です。
もともと、次のような理由で、契約書管理はどの会社でも必要な重要業務の一つです。
契約書には、有効期限や、コンプライアンスの必要性から、更新・改訂を行うなどの必要が生じることがあります。契約書管理を行うことで、これらの対応を一括で行うことが可能になり、工数削減につながります。
契約違反による損害賠償請求のリスクを避ける、業法上必要な条項を契約書全体に改訂の時に補充するなど、契約上・コンプライアンス上のリスク管理のため、契約書は一元的に管理し、会社全体のリスクを簡単に把握できるようにしておく必要があります。
ところで、従来のExcelなどによる手作業での管理がすでに機能している会社では、システムによる管理の必要性について疑問に思われることもあるでしょう。
そこで、手作業とシステムでどのような差が出るのか、以下で契約管理システムの持つメリットを見ていきましょう。
システムによる契約書管理ができると、契約書管理業務の効率が大幅に上がります。
現在よく使われている契約書管理システムには、有効期限や、更新を自動でお知らせするアラート機能、外出先からも契約締結状況や保管状況がわかるモバイルからの閲覧機能などがあります。
また、契約書チェックの補助をしてくれるものもあります。
これらは、Excelの管理では得られないメリットです。
契約書管理システムは、手入力に比べるとデータ入力が楽になります。
Excelにおける契約書管理でデータ入力を効率化するには、Excelを加工する必要がありますが、契約書管理システムなら、もともと契約書の管理に適した入力フォーマットが用意されています。プルダウン・選択式で契約書の種類が選べるデータエントリー補助機能がついているシステムがほとんどなので、従来よりもはるかに簡単にデータ入力が行えます。
契約書管理システムは、契約書を網羅的に管理しやすくし、横断的なチェックもしやすくするシステムです。
そのため、契約書を横断的にチェックしてリスクを抽出する際に漏れが生じたり、契約書の更新または更新拒否の対応を忘れたりなどの問題点が減り、会社のリスク管理の質も上がります。
逆に、Excel管理では、どうしても漏れや入力ミスが出やすい面があります。
契約書の数がどれくらいになったら契約書管理システムを導入したら良いか、迷われている企業もあるかもしれません。
目安こそありませんが、以下の理由から、できるだけ早い導入をおすすめします。
改正後の電子帳簿保存法に対応するには、電子取引における契約書は、電子のままで保管する必要があります※1。これらに対応するためには、電子化された契約書を管理しやすいシステムを、できるだけ早く導入することが業務の効率化のポイントになります。
また、Excelによる契約書管理を続けていると、契約書の数が増えれば増えるほど、Excelの更新や改訂が困難になってきます。何かのきっかけで取引量が増大し、契約書の数が増えてしまえば、思わぬ管理機能のミスが起こることもよくあることです。
契約書管理システムの導入が「まだ早い」のかどうか、少し先のことまで見据えて考えてみませんか?
「まだ早い」と考える会社におすすめなのが、クラウドベースで、数日あれば導入できる契約書管理システムです。まずはトライアルで使ってみて、現在の管理との違いを確認することから気軽にスタートしましょう。契約書の管理に特化したインターフェースの使いやすさを実感できるはずです。
たとえば、「契約書管理 on kintone」のようにモバイル対応されていて、グループウェア「kintone」のワークフローと連携可能で、承認フローも含めて契約書管理業務を効率化できるシステムであれば、さらに便利です。
上でお伝えした通り、契約書管理システムは業務の効率化・リスク管理のためにより効果的に契約書管理業務を行うため、また電子帳簿保存法対応に必要不可欠といっても過言ではありません。
導入時期も検討事項の一つになりますが、「まだ早い」と思い込まずに、できるだけ早く導入して電子帳簿保存法の改正に備えておきましょう。
※1:2021年12月1日時点の電子帳簿保存法の改正内容です。今後、変更される可能性があります。